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- 地域包括ケアシステム「あおばモデル」とは?
■2025年、青葉区は大丈夫?
団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年。医療・介護・生活支援サービス等、高齢社会に必要な様々なサービス需要が膨れ上がる事が予想されています。国の財政は逼迫するなかで、このままでは多くの高齢者が医療難民・介護難民となり、住み慣れた地域で最期を迎えることが困難になるのではないか?と懸念されています。
特に団塊世代人口が集中している首都圏近郊のベッドタウンエリアに、この“2025年問題”は直撃します。我々が住んでいるここ青葉区も、例外ではありません。
青葉区は、2013年時点で年間死亡者数は1,600人強ですが、その8割以上の方は病院のベッドで亡くなられています。2025年、区民の年間死亡者数は3,000人に達する見通しです。しかし病院のベッド数が今以上に増えることは考えにくく、今後、青葉区の高齢者の療養やお看取りの多くが、病院の外、すなわち自宅を中心とした“地域”へと移行することになります。「病院完結型医療」から「地域完結型医療」へ。今日各所で叫ばれている、この大きなパラダイムシフトに、青葉区も直面することになります。
■溢れ出す医療・療養ニーズを“在宅”で支えていくための「地域包括ケアシステム」
高齢化の進行で膨らむ高齢期の医療・介護ニーズを、いかにして地域全体で支え、受け止めていくのか?
キーワードは、「地域包括ケアシステム」と呼ばれています。
在宅(住み慣れた自宅や、高齢者向けの住まい)に居ながら、訪問診療によって病院での入院と同レベルの医療が受けられ、訪問と通いを組み合わせた各種介護サービスが揃い、さらに生活支援サービスや介護予防プログラムまで、切れ目ないサービスを包括的に受けることができる。そして人生の最期まで、自分らしく、尊厳を持って、希望する場所で生活することが可能となる。そんな体制・システムを地域全体で構築していくことが、いま全国の自治体で求められています。
■青葉区で進む、地域包括ケアシステム「あおばモデル」の仕組みづくり
青葉区では現在、区内の医療・介護の各団体、各医療機関・介護事業者の代表者、行政担当者によって構成される、「横浜市青葉区医療・介護連携の地域包括ケアシステム推進部会」(以降「ケア部会」)が組織化・推進されています(2012年11月~)。
ケア部会では、典型的な首都圏近郊ベッドタウンである青葉区の実情に沿った、地域包括ケアシステムのモデル構築を進めています。この目指すべきモデルは「あおばモデル」と呼ばれ、2017年度末までに、基本的枠組みの整備・構築を目指しています。
~ケア部会が目指す、地域包括ケアシステム「あおばモデル」のイメージ図~
「あおばモデル」の稼働により、かかりつけ医がいる人も、そうでない人も、区民誰もが住み慣れた自宅で療養することが可能になります。在宅医をはじめ、訪問看護師、歯科医師、薬剤師、ヘルパー、ケアマネジャー他、様々な医療・介護の多職種が、クラウド型ICTツールと、実際の顔の見える関係に支えられたチームケアを提供するとともに、自宅で万が一病状が急変した際も、必ず近隣の病院に入院でき、在宅復帰までの治療とリハビリが可能なバックアップ体制を整えることで、区民の在宅療養を全面的に支えます。
■「あおばモデル」構築へ向けた各種取組を進めています
ケア部会では、この「あおばケアマップ」の構築以外にも、部会での議論・検討をキッカケとして、下記のような様々な取り組み・モデル検討を進めています。
- 青葉区役所が事務局となった医療・介護連携の「顔の見える場づくり」
- 自宅で病状が急変しても入院できる仕組みづくり(バックベッド確保モデル)
- 在宅医の負担を軽減するサポート体制モデルの検討(グループ診あおばモデル)
- 在宅多職種クラウド連携パイロットスタディー(※)
- 在宅医療や多職種連携の展開を促進・サポートする拠点体制の整備
- 在宅医や多職種へ向けた各種研修会・ワークショップの開催
- 区民の皆様へ向けた、在宅医療や地域包括ケアシステム「あおばモデル」の普及啓発活動
▲カナミックシステム研修会の模様
※在宅多職種パイロットスタディーでは、株式会社カナミックネットワークのクラウドシステム「TRITRUS」を活用し、iPad等の端末を用いて患者情報を共有、質の高いチームケアの提供を進めています。
■「青葉区在宅医療連携拠点」と、当マップ
2015年1月、「青葉区在宅医療連携拠点」が開設されました。この拠点は、在宅医療のコーディネートや「あおばモデル」の各種仕組みをワークさせるため、常勤スタッフが配置されています。この拠点は、「あおばケアマップ」の維持・更新・情報発信・保守管理も担っていくことになります。「あおばケアマップ」では、今後の「あおばモデル」の進捗状況や、拠点含め地域包括ケアに関わる様々な情報を積極的に発信していく、“青葉区の地域包括ケアシステムのポータルサイト”を目指して、引き続き内容の充実化に努めていきたいと思っています。
■ケア部会設置の背景
2012年4月に横浜市と東急電鉄株式会社の間で、横浜市内の東急田園都市線沿線エリアの郊外住宅地の少子高齢化、住宅やインフラの老朽化、コミュニティの希薄化等の課題への対応策を検討する「次世代郊外まちづくり」の推進に関する協定が締結されました。
「次世代郊外まちづくり」内には上記の郊外住宅地における各種課題を専門的集中的に検討する「暮らしのインフラ検討部会」が複数設置され、ケア部会はその部会の一つとして「次世代郊外まちづくり」プロジェクト内に位置づけられています。